「大切なのは人間性」地元から頼りにされる電気工事会社なかでん 社長インタビュー
written by 大久保崇
部屋の照明から洗濯機などの家電、パソコンやスマホなど生活から仕事まで、電気なしで快適な生活を送ることは不可能に近いのではないでしょうか。そんな電気のトラブルが起こったとき、助けてくれるのが電気工事士です。
兵庫県豊岡市にある、イープランニングなかでん株式会社さん(以下:なかでん)は、2008年創設から10年以上、地元の企業や個人宅の電気環境を支え続け、多くの信頼を積み重ねてきました。高圧受電設備工事など業務用電気工事から、アンテナ工事など家庭用電気工事まで幅広く対応しています。
仕事でもプライベートでも、「人」を大切にする代表取締役の中井慎吾さん(以下:中井さん)は、自社の人間味を重視した経営・社内教育を行い、地元になくてはならない電気工事会社を作り上げてきた豊岡の隠れヒ-ローです。そんな中井さんにインタビューしました。
なかでんは「人間性」を大切にしている電気工事会社
ーーーなかでんはどんな会社ですか?また、どんな人が働いていますか?
中井さん:人間性を大切にしている会社です。事業内容は電気工事全般を引き受けインフラ整備を行っており、人から頼られる仕事だと思っています。
一緒に働く従業員はみんな、明るく礼儀正しく気遣いができて人をねぎらえる者ばかりです。
ーーー10年以上、会社を継続していくための秘訣を教えてください
中井さん:どんなに忙しくても、すぐにお客様のもとに顔を出すようにしていることですね。お客様が電話をしてくるということは、今まさに電気のトラブルで困っているということなので、すぐに駆けつけることで安心されます。
軽微なトラブルであればその場ですぐに対応しますし、難しい場合でもできるだけの対処をします。「困ったお客様のもとへはすぐに駆けつける」という基本姿勢があるからこそ、今があると思っています。
―――仕事の依頼はどのように得ているのですか?
中井さん:人からの紹介が多いですね。あとは電話で問い合わせが入ってくる感じです。
―――人からの紹介が安定して入ってくるまでは大変でしたか?
中井さん:そこまで苦労したつもりはありませんが、どんなときでも選ぶのはお客様です。その方がもし別の会社に依頼された場合は、なぜそうなったのかを考えないといけません。「仕事を取られた!」と思う前に「なぜ離れたのか?」を考える必要があります。
以前わたしが勤めていた電気工事会社のお客様の中には、「中井さんがいたから依頼していた」といってくれる方がいました。そういった方とは、今もお付き合いをさせてもらっています。なので、紹介をしていただけるかどうかは、その人の人間性に左右されると思っています。
―――誰にお願いしたいと思えるかが大事ですね。
中井さん:まさしくそうですね。同じお金を使うにしても「あの人にお願いしよう!」と思ってもらえるかどうかが大事です。
ーーー印象に残っているお客様とのエピソードなどあれば聞かせてください。
中井さん:昔、地元の豊岡で大水害があって多くの家や施設が停電したんですよ。そのときに、停電した工場にすぐに駆けつけ、なんとか電気を送って復旧させたことがあります。
建物内は膝の高さまで浸水していて、まだ水も引いてない建物のなかで道具や靴を肩にかけての作業です。裸足で膝まで浸かりながら停電の対応をしたときにはお客様に「神様が来た」といわれ、復電した際にはお客様にとても喜んでいただきました。
そのときに、強くこの仕事を続けていこうと思いましたね。
人間性を大切するために謙虚さ、素直さ、正直さを持ち続ける中井さん
ーーー中井さんはどのような経緯で電気工事士になったのでしょうか?
中井さん:若い頃に鞄一つ持って東京に出ていったんです。友達のアパートを転々としながら、東京で何かを見つけて地元の豊岡に持って帰りたいと思っていたんですよ。ほんとに友達には恵まれていました。今でも大事にしているつもりです。
でも気持ちだけで実際には遊び呆けていて、カーステレオのメーカーで勤務するなど4つか5つの職場を転々としていました。就職しなきゃと思って貿易会社の試験を受け、内定通知をもらったんですけど「東京にサラリーマンしに来たわけじゃない」と内定を蹴ったこともありましたね。
ふらふらしていると、いよいよお金が底を尽き、どうしようかと思った時に、板橋の方で日雇いの電気工事の仕事をしている会社があって飛び込みました。その後、地元豊岡に帰り、電気工事会社へ入ったことが今の仕事に繋がっていますね。
―――ご自身が仕事で大切にしている価値観などがあれば教えてください。
中井さん:「謙虚、素直、正直」これが仕事する上で大切です。お客様に対しても従業員に対しても、悪いと思ったときは素直に謝れる、そういった態度が取れるようにしなくてはいけないと思っています。
たくさん電気工事会社があるなかで、なにを売り込むかっていうと「人」です。電気というサービスは、お客様からすれば「使えたらいい」と思われるものですから、自分達の会社を選んでいただくためには人間性が大事です。
自分達はそれを理由に選んでいただいているのだと思っています。
「人」を大事にする中井さんが「人」で悩んだ時期を乗り越えた今
―――「自社が選ばれるためには人間性が大事」という考え方は社内に浸透していますか?
中井さん:そうですね。ですが一人では中々上手くいかなかったので、頼りになる友人にも相談して従業員への教育をするようにしました。一時期、かなりギクシャクした時期もあり、自分が会社をやめようかと思ったほどで、従業員のことが信じられなくなったときがあったんですよね。
その友人が会社にきて、毎月教育する場を作るようになってから、社内の雰囲気もすごく良くなりました。私が一人でしていたときは、いいことも悪いことも全部一人でいわないといけなかったのですが、友人が入ってくれたことで叱ることも減り、従業員との関係も良くなっていったと思っています。
―――「人」のことで思い詰める時期もあったのですね。
中井さん:良くも悪くも任せすぎたのが原因だったと思っています。自分のチェックがまずくて任せっぱなしだったから、ほったらかし状態になり従業員も好きにやってました。
でも仕事には「してもいい好き勝手」と「してはいけない好き勝手」があります。
当時は、してはいけない好き勝手をさせてしまう結果を招き、私自身も落ち込みました。
―――それは長く続いたのでしょうか?
中井さん:半年から一年ほどです。
ーーーそういった期間を乗り越えた今、一緒に働く人達とどのような関係を築いていきたいと思いますか?
中井さん:わたしみたいに、電気工事で独立したいって考えている人をしっかりサポートしたいですね。当社では独立したいから働きたいという人も歓迎しています。
もちろん、最初は独立するつもりだったけど、途中で独立することをやめて会社で働き続ける方向に転換することもありだと思います。どちらの道を選んでも、一緒に仕事をする人を全力でサポートします。
その人の一度しかない人生、本人が挑戦したいと思ったことを応援したいです。仮にもし独立して失敗したとしても、そのときはいつでも(なかでんに)帰ってきてくれていいと思っています。
素直で正直な気持ちをもった人と働きたい
―――どんな人と一緒に働きたいですか?
中井さん:素直で正直な人。わからないことはわからないといい、悪いことは悪いと素直に謝れる人と働きたいですね。
―――電気工事士の仕事を紹介するとしたら、どのように紹介しますか?
中井さん:お客様の笑顔が見られて、とても頼りにされる仕事だと伝えます。
―――電気工事の仕事は未経験の人でも取り組めますか?
中井さん:そうですね。2年前に入社した人が未経験からはじめて1年目で電気工事士の資格を取り、2年目からは現場を任せることができるぐらいに成長してくれています。経験はなくても、その人のやる気次第ですから心配しなくても大丈夫ですよ。
―――サポートできる体制も整っているということですね!
中井さん:仕事の面からプライベートの酒飲みまでサポートします(笑)
取材を終えて
若い頃から人想いでチャレンジ精神が旺盛な中井さんは、様々な経験もされていて面白いお話をたくさん聞かせていただきました。
「自分が自由にできたのは人に恵まれたから」
そう語る中井さんは、人を大切にして自分のやりたいことにチャレンジする人を応援しています。
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